私は
ドクダミ五十号

透明人間です
見てもらえないのです
居ない事になっています
ねえ
透明でしょう

散歩の途中
犬が興味を示して
ぶんぶん尻尾を振っても
振り返っても
わたしは見えないのです
居ないのです

お家がダンボールの人たちも
きっと私と同じく
透明で居ないとされる人でしょう

透明人間が街角で完全に消えたとしても
誰も悲しみを覚えないでしょう
ただの肉塊と果てる時に
焼き場で灰になるまで
無縁仏として一緒くたになるまで
ずっと透明なんです

悲しいよね


自由詩 私は Copyright ドクダミ五十号 2014-11-10 23:40:36
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