吐瀉の粒子
深水遊脚



松の木の吐瀉の薫は 昔日の落武者か昨日の酔っ払いか


法律と噂話で塞がれた言葉こぼれる針山の上


光のない部屋を満たした粘い黒あなたと吸い込み汚しあう夜


芯が熱く眼を焼いた夜手に触れる粘液だけで貴方だと識る


区切りなく欲するままに詰め込んだ袋破れる寸前の鼓動


短歌 吐瀉の粒子 Copyright 深水遊脚 2014-11-10 12:01:25
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