美輪明宏の香り
吉岡ペペロ

美輪明宏の幻だらけだった

美輪明宏ならすべてを歩いて確かめているはずだ

たとえ肉体でなくても霊魂でそうしてるはずだ

座席を探していたら香りでむせ返った

まんなかあたりに座って俳優や照明に指示を与えていたのだろう

口のなかに美輪明宏の味が広がった

舞台の美輪明宏は黄金に見えた

見た目ではない

美輪明宏こそ曲がることのない真実の黄金なのだ

美輪明宏がいつもの口調で台詞をしゃべっていた

男女美輪明宏美輪明宏美輪明宏男美輪明宏女女男美輪明宏・・・・・

人間には男と女と美輪明宏がいる










自由詩 美輪明宏の香り Copyright 吉岡ペペロ 2014-11-09 20:44:19
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