四季折々
瑞海


春になったら
暖かい匂いがしますね
陽だまりの野原に
君と寝転んだこと
思い出すんです

ふふふ
って口隠して笑ってた

夏になったら
夜風が気持ち良くなりますね
いつかの花火大会で
見た君の浴衣
思い出すんです

花火の音 大きくて
聞こえなかった

秋になったら
落ち葉が落ちる音がしますね
放課後の公園のブランコで
君と何でもないことお話ししたこと
思い出すんです

君のこと何も
わかっていなかった

冬になったら
朝が白く染まりますね
君が冷えきった手に触れて
冷たいね って君が笑ったのを
思い出すんです

あの時君の手も少し冷たかった


思い出すんです
辛いことも 嬉しいことも

君がもうここにいないことも



自由詩 四季折々 Copyright 瑞海 2014-11-07 21:33:14
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