途方もない恋
永乃ゆち





最初から諦めていたのは
わたしを守る為だった
いつの間にかずるい
恋をしていた

駆け引きもなくあなたが笑う
わたしはその笑顔を
真っ直ぐに見つめる事ができない

それからわたしは
遠く思い出していた
あなたの癖も指先も温もりも
けれどそれは
所詮思い出に過ぎず
今のわたしを支えられない

あの日のわたしには
それだけで十分だったとしても


砂の中から金を探すような
途方もない恋でした




自由詩 途方もない恋 Copyright 永乃ゆち 2014-11-07 00:11:02
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