首都だろうと田舎だろうとねずみはねずみです。
ブルーベリー
きらびやかなショーウインドウを
見つめるのにはきれいなレンズが必要で
なるほどそれは俺は持って居ないって
一昔前のインディーズバンドの
歌手みたいに嘯いて
二昔前の漫画の主人公みたいに
ポケットに手をつっこみ
足元の石を蹴っ飛ばして
その場を離れて
おしまいにしようか
だって眼が潰れてしまうのだもの
あるいは
台所から
テレヴィジョンの中の
料理人が選ぶ
極上素材
を
手に入れられるわけでもなく
包丁だってその辺のホムセンで買ったんだし
そもそもそんな見かけも腕も夢も野望もなく
いかにも聖人面の霞だけ食ってる奴の言葉だって
実際はそんなんじゃないんだろうし
その辺のホムセンで買った包丁でも
その中身くらいはさばいてみたい
そんな小汚い野望は持ってる