恍惚の魚眼
るるりら

ほんとうの話を 書こうか書くまいか
かくまうのはやめて お書きなさいな
夜空に 月ひとつ
鱗雲に埋もれつつ 虹彩を放つ

大地を踏みしめて
月と私は空を挟んで共にある
驟雨の日のかなしみも 雷雨のような憤りも
透徹した まなこで 見ていたものがあるのだと
月は静かに私に語る

カタルシスの竜の まなこ
星霜を隠して 私に云う
飛ぶがよい自らの貝殻骨を開いて

くだけることのない
かなしむことのない虚空に
月と私は
浮くように羽ばたき
漆黒の輝きの中に遊ぶ


.∴★ ∵.★..
十五夜(9/8)を追想して書きました。


自由詩 恍惚の魚眼 Copyright るるりら 2014-11-06 00:57:46
notebook Home 戻る