風伯へ小娘より
朝焼彩茜色

バンクス揃えて靡く真夜中の風
愛している 私の風
コマ送りされた記憶の点線を辿る
生意気に若気に殺気立ち 一太刀

大人になんて成れるものですか
人間ごときで ねえ風
私の風 愛している
少し老けた 男の風

イヤホンに挿す華二つの二刀流
鞘は溶かせずに あがく 真夜中の風に
神業をパーフォーマンスしてくれる
私の風 久しぶりに呼び出して

ランプから出てきて ふてくされる
女は面倒だと 欠伸に星が交る
風よ風 男の風 冥利を隠した顔も見えない真夜中に
照れるな風 私の風

心臓を浸せ
心を奪え
私の風
男の風
風の神

魂に触れ 真夜中に風
婚姻書に印を押せ


自由詩 風伯へ小娘より Copyright 朝焼彩茜色 2014-11-03 02:02:17
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