狩りーぼくらは人間2ー
イナエ

人間の住処に入り込んで
人間の保護するツバメの
まだ飛べない幼鳥を盗み取る
怒りに任せて蛇をつかみ

初めてつかんだ蛇
のサラサラした感触
ウナギのようなヌメヌメなど無い

以来 
蛇を捕らえることに熱中した
蛇にとっては迷惑なことか
野生の本能が感じ取るのか
ぼくを見ると逃げる
だが それは
尻尾をつかめと言う合図のようで

逃げるものを追って捉える
それは狩りの基本
逃げられないものを捉えるなど
狩りの堕落

狩った蛇は宙へ飛ばす
身体をくねらせ宙を泳ぐ姿は
竜の昇天
 (「聊斎志異」には蛇が龍になって昇天する話はよくあること)

それでもぼくは祈るのだ
鳶に見つからないようにと


自由詩 狩りーぼくらは人間2ー Copyright イナエ 2014-10-31 12:15:52
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