遙洋



イン・ザ・マネー


いい漁場にたどり着いた気分だ


ここにいると
遠くの人の焦りや志が
入り交じるのが見える


岸辺で昨日
本を読み終えた
航海術は体得するものだと
セイルは言う
かれの伝統的な技術は
ある時期粉砕して
世界中の人々の心の中に散らばってしまった
だから今
わたしなどがやれるのは
その散らばりを俯瞰するようなこと
受け継ぐものがなかった世代は
そういうところから
体得を実現していかなければならない
というわけだ


今日の人のうごきを読み取る
舵をきる
大きくゆったりと動く
ものの価値が
取引するに値する時がやってくる
波と波の間で
波となりながら
大きく、ひらく、わたしの目



自由詩Copyright 遙洋 2014-10-30 23:29:06
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