ストリート
梅昆布茶
夜の旧山手通り
どこかの大使館の前
キャリーパミュパミュみたいな
自転車少女やハットできどった
ボーイズがとおりすぎる
夜の明治通り
花園神社からさきは闇だ
人種と性のごった煮を見たいなら
踏み込めばいい
ただし僕と友人のように
ぼったくられないように
夜の目黒通り
目黒税務署交差点前の
コリアン&イタリアン居酒屋
昭和そのままのガラス戸のむこう側
仄暗い電球のしたで
女将が売り上げ計算をしている
デリバリーもするようで
キャノピータイプの三輪バイク
たとえばイスタンブールのガラタ橋
名物であるサバサンド
僕はかつて友人であった
ムスタファやセダトから聴いた話で想像する
彼らはイスラム教徒であり
かつイランやアフガニスタン
クルド人との紛争の多い
ガジアンテップという東部山岳都市の市民
素通りする毎日
通りや土地
国土や風土はなにをもたらすのか
家の前の団地の外周道路
普遍というよりも
単調なものを基調に生きている
それでも考えることはあるのかもしれない
ひとは墓標をいつか忘れる
それでいいのだともおもう
永遠なんてたぶん
人間がかってにでっちあげたもの
でもちいさな灯をのぞみ
まもりつづける
僕はいつでもそれに
加担する側にありたいとおもうのだ