さようならがまだ寂しく耳に残るから
ミツバチ

夕日が雲を赤く染める時
切り絵のような木々が
空に黒く浮かぶ

烏は寝床へ帰って行く
昼間は息を潜めていた虫たちが
あちこちで鳴き出す

冷たい風が部屋を吹き抜けた
金木犀の香りは無くなって
コスモスは寂しく揺れるだけ

いつもこの季節が巡る時
君と別れた日が昨日のように
思うのは
君のさようならが
まだ寂しく耳に残っているから

どこで何をしているだろう
会うことも叶わないけれど
きっと幸せに過ごしていたらいいな



自由詩 さようならがまだ寂しく耳に残るから Copyright ミツバチ 2014-10-29 09:28:22
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