二十円
ドクダミ五十号

ぎゅっと握った二十円
お小遣い帳にお菓子と
日曜日の午後の事です
小高い古墳群頂上から
平野を走る鉄道の線路
市道沿いの駄菓子屋へ
優しいおじいちゃんと
少し怖いばあちゃんが
樽に入ったスモモ五円
当てくじは当たらない
ニッキ紙も五円でした
スルメは十円だけれど
長持ちするから好きだ
夕焼けを背にした子供
それが日曜日の僕等さ
松風騒ぐ古墳群の道に
少年の私が確かに居た


自由詩 二十円 Copyright ドクダミ五十号 2014-10-26 11:00:07
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