服毒
ドクダミ五十号
夾竹桃 馬酔木 ダチュラ
それぞれ煎じてアルカロイド毒を
成分からして苦いものだ
1?も飲んでみ給え
すなわちめまいや嘔吐悪心
意識は混濁し幻覚幻聴
「ああ、死ぬんだな」と感じる
精神はともかく
肉体の拒絶激しく
簡単には死ねないものだ
科学合成された薬物の大量摂取よりも難しい
昨夜散歩の途中
チョウセンアサガオかダチュラか
街灯に照らされた死を告げるラッパの様な
ほの白い花を見た雨に濡れた
ナスの仲間は恐ろしいが
花は美しい
強烈に苦いのは自らの毒を
飲む者に知らしめようとの意図か
一度失敗の苦さを味わうと
潔く生を苦しむべしとの
誰でも無い
心の奥底の声を信じる気になる
胃酸と毒の混合物の吐瀉
これも一つの人生の味なのだろう
死のラッパの聞こえない吹奏が
めまいを誘発する蝸牛のリンパ液を揺らしたろうか