【金木犀と夕焼け】※題名無茶ぶりより
ハァモニィベル
無数の瞬間瞬間を
音もさせず
かき消していく
静かな雄大な
炎
の
半ば朽ちかけた美の前に
見上げると
人びとは立っている
感じられるのである。
響く鼓動を耳に
溢れる体温を頬に
確かめながら
きみは、
「そのままでいて」
そう言って強く
「やさしい背中」
そう言って突然
「どうして?」
そう訊いたね最後に
いま、そして
あのときの君が、
どこまでも
香る
この夕焼け
見つめながら
僕は立っている
感じられるのである。
金木犀が二度咲いたのを。
いっぱいに咲いたオレンジの
ある日突然の無数の
静かな小さな花が
秋
いちめんに匂うのを。
花が散り
散った花びらが
あたり一面を
オレンジ色に染めていた。
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題名無茶ぶりリレーより。
ちゃきさんのお題に応えて
書きました。