【君の瞳が言っている゛わたしに話しかけて゛】※題名無茶ぶりリレーより
ハァモニィベル

きみ、という名の女の子がいた
綺麗な瞳が自慢で、視力も良く、
そして、恋をしていた

だが、問題があった

きみ、は躰が、丸いのだ
太っているわけではない。
ただあまりにも、球いのだ。

じつは、彼女は眼玉なのである。
見ることはできたから、
だから、イケメンの彼に恋したのだ

ところが、話すことができないのだった。
きみ、は眼玉だから。口唇がなかった。
それじゃ、キスだってできない。

きみは、祈った。毎日、星に。
星を見ることはできたから。

するとどうだ、何と!
眼玉の彼女に、真赤なクチビルが生まれた。

「わたしに話かけて」
「わたしに話かけて」

彼女は愛おしい彼に、ようやく
告げることができた!何度も 何度も

彼が笑顔で、きみ、に何か話かけた
眩しい笑顔に白い歯で。彼は、何を
言ってるのかしら?

見ることも、話すことも、できる
眼玉のきみ、なのに、ところが、
彼の言葉を聞くための
耳が無いのだった!

目と口はあるから訴えることはできた。
でも、耳が無かった。

でも、きみ、は眼玉だから、
(だから)
泣くことはできた


涙の堕ちたところには
可愛くて黄色い
ステンベルギアの花が
そっと ひとつ、咲いた







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メビウスのリレー詩より。
史上もっとも難しい題名を出すと言われている
るるりらさんによる
題名無茶ぶりによる【タイトル】でした。







自由詩 【君の瞳が言っている゛わたしに話しかけて゛】※題名無茶ぶりリレーより Copyright ハァモニィベル 2014-10-22 05:45:45
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