ロッドの先に
番田
そこにある色に違いないものを
僕は 水の色を じっと見る そして
僕の自分の目に映した その色を
不可解な色ではないと知っている
魚釣りをしていた
僕は いつかの親子の堤防を思い出す
二人の姿が自分のことであるかのように 彼らの様子を
僕は いつも 目に焼き付けていた
流れる時の中を いつも
僕は この場所から
去っていくのはなぜだろう そして
時の暗がりを 歩き出す
魚を釣ったことがある
一人だった そして いつも 沼で
黒い 名前を忘れた
それを 釣り上げた 夕暮れの 堤防で