世界の殺人鬼1 ベンジャミン・キャスパー
花形新次
米国ノースカロライナ州
ソックイデカーに住む
ベンジャミン・キャスパーは
普段は地元にあるコンビニで
店員として働いていた
大人しく真面目な性格で
同僚からは親しみを込めて
ベンジャミン・キャスパーと
呼ばれていた
しかし、ベンジャミンには
誰にも知られたくない
もうひとつの顔があった
それはネット詩人としての
ベンジャミンであった
ベンジャミンは詩の投稿サイト
現代詩カンファレンスに
ベンジャミンジャベンというハンドルで
主に叙情詩を投稿していた
しかし、余り受けが良くなく
手厳しい批判が寄せられるようになると
その相手に罵詈雑言を浴びせるようになった
そして悲劇は起こった
2014年9月24日
その日投稿した
叙情詩「カメレオンのディープキス」に対し
つまんない、てにをはがおかしいと
批判したハンドルネーム
スーパーストロンチウム1号さんの
文体に似ていそうだとの理由で
新橋のネットカフェ「ネット交信園」で
夜を明かそうとしていた
大山良雄さん(仮名静香)を散弾銃で撃ち殺した
ベンジャミンは警察の取り調べに対し
反省の言葉はなく
ただ、俺の詩を良いと思えない
そいつが悪いのだ、と繰り返している