寒い夜道を自転車飛ばす
中村 くらげ

僕の帰りを待つ妻と子のため自転車飛ばす

一人きり歌いながらお腹空いたと呟きながら


街灯で薄明るい公園の脇 自転車飛ばす

何処かから漂ってきた誰かのためのカレーの匂い


片道3車線の道路をヘッドライトが照らす

あの一台一台に一人以上の人が生きている


ぜえぜえ息を切らして寒い夜道を自転車飛ばす

僕は僕のために家路を急ぎ自転車飛ばす


自由詩 寒い夜道を自転車飛ばす Copyright 中村 くらげ 2014-10-15 02:32:55
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