ポーアイ北埠頭
nemaru
朝
神戸市は快晴
ポートアイランド
人工島のふとう
海側に向けて寝たから
フロントガラスは塩まみれ
コンクリにタッチした波が
後ろとぶつかって
とんがりがそこかしこに出来ている
先っちょはしぶきとなって風に乗り
潮風のミネラルとデコ由来の油脂により
コペコペの髪は七三分けを超えて
終末に近づく
海面は
ビニール、竹、濁った泡
夜はあんなに綺麗だったのにね
島へと渡る高速じみた道路の横
それより大きい船がある
すっげ(俺達には一生乗れない)
後ろの
工場の三階
三階建ての工場
しらね
壁から突き出たダクトのカーブに
何度も足を滑らせるカラス
強い風を受けて
ホバリングしながら
情けない足で何回も
つるんつるんしながら
そこはとまれねえよ
ふふふ
バカなカラスだ
車内に戻る
俺たちのにおい
ほとんど靴下のにおい
くさいのに
あまい
おい起きろ
ありまおんせんに
出かけようぜ