ポーアイ北埠頭
nemaru


神戸市は快晴
ポートアイランド
人工島のふとう

海側に向けて寝たから
フロントガラスは塩まみれ

コンクリにタッチした波が
後ろとぶつかって
とんがりがそこかしこに出来ている

先っちょはしぶきとなって風に乗り
潮風のミネラルとデコ由来の油脂により
コペコペの髪は七三分けを超えて
終末に近づく

海面は
ビニール、竹、濁った泡
夜はあんなに綺麗だったのにね

島へと渡る高速じみた道路の横
それより大きい船がある
すっげ(俺達には一生乗れない)

後ろの
工場の三階
三階建ての工場
しらね

壁から突き出たダクトのカーブに
何度も足を滑らせるカラス

強い風を受けて
ホバリングしながら
情けない足で何回も
つるんつるんしながら

そこはとまれねえよ

ふふふ
バカなカラスだ

車内に戻る

俺たちのにおい
ほとんど靴下のにおい
くさいのに
あまい

おい起きろ

ありまおんせんに
出かけようぜ


自由詩 ポーアイ北埠頭 Copyright nemaru 2014-10-12 00:18:04
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