虹色の実際に綺麗な魂が出る
なけま、たへるよんう゛くを

「実際にないものを繋がりとして見る辺り、矢張り人間は莫迦です。

「もしこれで終わりなら(勿論実際は違う、)虹で満たされた鏡面へ行きたい

「好きな色は?と訊かれた小学生の過半が虹色と。実際は複数色なのに、ねえ。

「済まないと思うなら虹の根本でも掘り当ててみてくれ。なんでも出てくるんだってよ。色とりどり、実際にないものだってよ。・・・俺は怒ってないぜ

「魂の色だとか、そんな汎用的かつ普遍的な価値観がある訳はない。目と言うのは矢張りそのままの意味で、誰も見ていないのなら実際の、ほら例えばあの虹などは、まさにどこにもないのです。目というキャメラをここに置いて初めて色々な意味であの複数色の光は、虹と成る。或るものを在らしめるには、全からく目による抽き出しが必要なのですよ。

「目の色変えて綺麗なものだとか、綺麗になった自分というのを求める連中には反吐が出る。実際やつらは魂から汚れていやがる。虹はなんで綺麗かって、幾つもを同時に持ってられるから、だろ?

「この場所はとても優しいばかりで、ゆっくりとではあるが僕という人間を莫迦に変える。血はこっそりと肋骨の隙間から僕を出ていくし、通らなかった場面を実際に在った事のように日記につけていた。幾日も無い最中にこれだけやられちまえば、この魂ももう前と同じそれではなく、前とは違う地獄へ行かされるのだろう。本だとかに耽り、二冊に繋がりを見て、その分光に目を傷め、大事な肩も学生の頃とは違う。ドネルケバブ。なにかどうにもならない死神の死神の鎌のような鎌が僕の肉をゆっくりと削ぎ、それはパンになってもう誰かの肉だ。気づかないままなにも失くなってゆく。もしこれで終わりなら、どうせならうんと綺麗な、虹で満たされた地獄へ。呪い。祝い。ひとつになれ。ずっと彼方の誰かと、僕は繋がっている。


自由詩 虹色の実際に綺麗な魂が出る Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2014-10-11 14:50:03
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