「好き」の期限ときっかけと
佐藤承夕



お気に入りのあの歌手の
お気に入りのあの曲を
アラーム音にしたときから
お気に入りを嫌悪する

つまらない学校の
つまらない教科書を
指を指して読まされてから
文字を見ると欠伸がでる

ぼくらが好きなものたちの
好きの理由の源を
見失って忘れてしまえば
好きも嫌いも消えてしまう

ぼくらが好きになるものと
出会う未来の始まりが
退屈という名の眼鏡越しでは
どんな景色も色褪せる

人の心は移り変わり
色は褪せて美は枯れる
それでもそれを見つめながら
ぼくらは「好き」を風に乗せ
共にいれるこの今を
いつまでもずっと大切にと
愛しく思える未来に贈る

お気に入りのあの曲の
つまらない教科書の
時代や世界を飛び越えた
想いを受けとれますように





自由詩 「好き」の期限ときっかけと Copyright 佐藤承夕 2014-10-10 00:35:42
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