残り物
Wasabi

わたしのカレは
私が淹れるドリップコーヒー(甘い香りの)
を、のみ残す カップの下らへん いつもそう

私が作った豚肉のしょうが焼きを食べて
汁に溶けそうな玉ねぎのいくらか
も、食べのこす そう、千切りキャベツのいくらかも

魚の骨にくっついて離れない身
も、きっと残すだろうな


 カレは 私を愛してみるけど、やっぱり
愛し残しちゃう

たぶん 私の一部、ほんの一面しか
愛せない 知ろうとしない


カレが帰ったあと わたしは
残りの全部を可愛がってあげる
のこりのゼンブを愛してあげる

カレが愛さなかった ワタシの「残り物」を丁寧に味わいたい


だって。「可哀想」じゃない?

ワタシ、カレとは違う人間だから。
   そうするってきめた。







自由詩 残り物 Copyright Wasabi  2014-10-09 20:18:10
notebook Home 戻る