雨の散弾
浩一

するどい雨の散弾が
あやしい空から降りそそぎ
はげしく
冷え切った地面を打つ

おどろいて
まっ黒い弾丸になって
失踪する
男の背中をもはげしく打つ

残された女は
無為の傘をさして
諦念の水溜りの中に赤いヒールで
佇んでいる

子供たちは とおのむかしに
もう
すでに
夜のほうへ連れ去られてしまった

するどい雨の散弾が
ふきつな空から降りそそぎ
はげしく
冷え切った世界を打つ


自由詩 雨の散弾 Copyright 浩一 2014-10-08 04:34:49
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