ココア
かんな




あさがた
空がまだ黒いベールをまとっている
そんな頃合い
ささいな物音で目を覚ました
ような気がして
結局同じようには
すいみんに入れないでいる

最近おもうこと
母になったら息子のことばかりを
ことばにするのだろうか
などと感じていたけれど
やっぱり君のことかもしれない
つまりは夫であるということ

ふうふというの
他人と他人がいっしょにいるのだから
あいがないと暮らせない
とは言ってみたものの
あいを探せど探せど
そうしてあたたかな思いやりが見つかったり
ふしぎなもの

君の少しがさつで
とても不器用なやさしさに抱かれている
ねいきが聞こえる
父と母などという立場になって
改めて考えることは
責任の重要性といったことも含め
ふうふであるのだということ

あさがた
そろそろ空が黒のショールを脱ぎ捨てる
君のやわらかなねいきの
その姿が浮かび上がっていく
すきだとかあいしてるとか
ことばにするのはつまらないというひともいるけれど
飛び込んでいきたいな

せいいっぱいの表現に
せいいっぱいの表現を

それにしても
息子よりも君だよ
なんて言ってみたら
たいそう喜んでしまうかもしれないね
バンホーテンのココアを飲んでいるとき
くらいの笑顔いっぱいで

男ってそういうもの。





自由詩 ココア Copyright かんな 2014-10-05 04:39:53
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