クール・ダウン
千波 一也


かぜが
黄色味を帯びてきたから
わたしは防衛じみて
厚着をはじめる

何処とはいえない確かな弱り火の
冷まされゆくのが
伝わりはじめる

決して消させやしないと
言葉を選べば選ぶほど
募るもどかしさが
かぜを呼びこむ

染まりゆく囲いは
火にも火の元にも火の渡りにも
不可欠な区切り
適切な間の

秋は
何をも誰をも連れ去らない
それゆえわたしは秋をさまよう
幾度としれず
巡るたび








自由詩 クール・ダウン Copyright 千波 一也 2014-10-04 22:13:49
notebook Home 戻る