はためいわくがはためいている
阿ト理恵



扉のむこうにあるおはようはいるからだからぬけられずあな(た)のなかからセロファンめがねごしにみる空にうそつき。リラ・ラーソンのしましまねこTシャツはりねずみ100匹リラコで言畑二丁目まではふらふらゆく。その角を曲がったあたりの髪森でおもいかみをきり、ばっすいばっすいだらけの映像をかぎわけ、ボロニア・ピナータのためのふよう土を買う。ほんとは学校のプールで夜空を飼いたい、こぐま座ごと。なりそびれちまったあた(ら)し(い)あるいはふるいは首ふるあかい牛とさけくわえた熊とi型おかっぱ童女とセルロイドキューピーと歪んだ円柱プラスチック入りフランスもどき人形と底に太陽の顔あるグラスなどがにやにやしており、かけたうつわとかびんかんなどと。なんとなくちょっとはっぴーになるにいさんごーごーはベッドでいまどきガラケーでみる今夜の妖精やら魔女やら市長の発明による日めくりなぞなぞトビーのつぶやき唄うはぼるぼっくす三日月ストレッチをしてぐだぐだとくりかえされる似たものへの険悪よりかわらないおもしろさをもぐるたのしさといったら…うさぎが一匹、うなぎが二匹、さぎが三匹…かめが101匹、かばが103匹、あっうっかり飛ばしたばかみたいわ(た)しが102匹、戻ってどうするカナリア104匹、かなりむりあり105匹…今宵も正しい文字の迷子になって、じしんをなめきるのだ。






自由詩 はためいわくがはためいている Copyright 阿ト理恵 2014-09-30 21:30:10
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