碧夢
瑞海

空が暗く静かで

空の色が溶ける海
暗くなって
あなた何かを探すために
背広のまま海へ飛び込んだ

その下に黒い影が見えたから
嫌な予感がして
砂浜の私

必死に手を伸ばしても
あなた振り向かなかった
泣いて叫んでも
あなた少し笑ってた
"君を守らなきゃ"と言って
黒い何かに引きずられている

最後にあなた何か言った
波の音に消されて
一生聞けない別れの言葉

暗転

少し肌寒くて
満月の見える夜を
あなたと手を繋いで歩いた

手を繋いでいるはずだけれど
体温は冷たい というか感じない
悲しいけど与えるのが嬉しい

暗がりの中で
いつもの笑顔は見えない 見てない
あのさ…とあなた呟いた

暗転

青色のタイルが一面貼られた個室で
私があなたの首を絞めている

またあなた笑ってる
"君はいつでも変わらない"と言って

いつの間にか自分の手首にも
弱さの印と体液
涙が出る 止まらない

"私、なんでこんなこと"



首にある死のスイッチを

押したら

二人脱力して

床が抜けて


暗闇へ


落ち









自由詩 碧夢 Copyright 瑞海 2014-09-28 08:57:29
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