I grope for it
陽向




死後の世界が知りたいのではない
私が死んだ後のこの世界が知りたいのだ

居眠りしている臆病な女の背後霊にでもなろうか
ある日ふと考えた それもいい

心の叫び声は臓腑に響く
ちりちりと痛い忿怒 大変な騒ぎだよ

私はある種の傲慢さを持ってここに捧げる
悲しみこそが人を愛に轟かせるのだ

孤独は愛から離叛した時の届け物
無闇に包みをあければ 蝙蝠の色をしたそれ

生はいつも僅少であり 心は膨大だから
肉体に収まらない魂を人は静かに眺めている

深い霧 憂愁抱え 滴々と 流れるものは 揺れる眩惑




自由詩 I grope for it Copyright 陽向 2014-09-27 14:08:48
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