金木犀の夢
瑞海


金木犀
私好きなんです
少し香るぐらいが

香りすぎると
体を蝕んでいくようで
クラクラします

あの日
道で立っていたときも
こんな匂いが
あなたの首筋から香って
火照って 倒れそうだった
のを思い出しました

掌で掬っても
戻ってこない
名前の通り
水のような人ですね

笑った顔も
少し高めの声も
全て匂いが
掻き消すようにしてしまって
手でかき分けても 分けても
思い出せなくて
お腹が痛くて

鼻から脳に突き刺す記憶
少しため息出てしまう





自由詩 金木犀の夢 Copyright 瑞海 2014-09-26 19:49:30
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