あかい砂漠に
Lucy
たとえ
風化した夢の流砂に足を捕られ
概念の骸に
躓いても
滴る汗や粘る唾液
ではなく
目尻に薄く滲む涙に
遠く虹を映し
地の底に匿された
泉を探し
彷徨う一頭の駱駝が
貴方であってほしい
永遠と同じ輝きを放つ
一瞬の時のふるえ
無いはずのものが
今ここにある
やがて地平の果てにまで
沈黙の支配が
再び行き渡るとしても
啜り泣く声や
荒ぶ息遣い
ではなく
言葉の夕陽で あかく
あかく
染め上げてほしい
《過去作品(「蒼原32号」に掲載)を書き直したものです。》
自由詩
あかい砂漠に
Copyright
Lucy
2014-09-25 19:09:08