七色
あおい満月

今日からぼくなしで
生きてごらん。
あなたはわたしを川に放流した
わたしは嵐に遇いながら
必死に波にのったわ
満月の夜は切なくて
だけど涙をかみ殺したわ
いつのまにか
わたしにも
あなたと同じ
尾びれに似たような
何かがゆれた。

失ってはならないものなど
わたし以外なにもなかったのね。
あなたがいなくても
あなたの手のなかに
わたしがいなくても
生きていける。

多くは望まない。
この手のひらいっぱいに
つくれるものを
残していこう。

数年後、
わたしは七色の魚になって
あなたに手を振るから。
きっと手を振るから。


自由詩 七色 Copyright あおい満月 2014-09-25 09:17:40
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