夕暮れ2
梅昆布茶

埃っぽい一日が暮れかける
ゆくあてもない想いが影といっしょに夕闇に溶けて行く

ちっぽけな哀しみを手のひらで転がして
ため息にも似たつぶやきを繰り返す

幼い頃母に背を押されるようにして嫌々学校へ行ったこと
ねじを巻かれたブリキの兵隊のように感じていた

布団のうえ温もりを残したままのパジャマのなかに
まだ居る自分を想像する

夕暮れは様々な想いをつれてやってくる
日によって一日の長さが違う事や誰とも友達になれなかったこと

秋刀魚のわたの苦さのようにそういった味わいも
必要なものと今だからおもえるのかもしれない

濃縮された一日がくるりと翻って
新たな白い皿が用意される

上底+下底×高さ÷きみ=不可思議な森の妖女サイレン
表情のない皿の上に感情を並べる

タグのないファイルのように
のっぺらぼうの頁が埋もれ火「新たなるパート」の魁

ミステリーツアーを待つ
ゆっくりと坂をくだる
これいじょう滑らないようにと祈るように


自由詩 夕暮れ2 Copyright 梅昆布茶 2014-09-21 15:02:21
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