夕暮れ2
梅昆布茶
埃っぽい一日が暮れかける
ゆくあてもない想いが影といっしょに夕闇に溶けて行く
ちっぽけな哀しみを手のひらで転がして
ため息にも似たつぶやきを繰り返す
幼い頃母に背を押されるようにして嫌々学校へ行ったこと
ねじを巻かれたブリキの兵隊のように感じていた
布団のうえ温もりを残したままのパジャマのなかに
まだ居る自分を想像する
夕暮れは様々な想いをつれてやってくる
日によって一日の長さが違う事や誰とも友達になれなかったこと
秋刀魚のわたの苦さのようにそういった味わいも
必要なものと今だからおもえるのかもしれない
濃縮された一日がくるりと翻って
新たな白い皿が用意される
上底+下底×高さ÷きみ=不可思議な森の妖女サイレン
表情のない皿の上に感情を並べる
タグのないファイルのように
のっぺらぼうの頁が埋もれ火「新たなるパート」の魁
ミステリーツアーを待つ
ゆっくりと坂をくだる
これいじょう滑らないようにと祈るように