廿三夜
Giton

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いびつだというのがわからないな
出るたびにきになってじっとのぞくのだけれど
あれははじっこが靄か闇に突っ込んで
隠れてるようにしかみえないんだ
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あるいはそらのあおにやられてとけてしまった
とかされたはじがささくれだって虚空にゆれている
ふかうみにうかぶ蘿菔だいこん 透いた切れはし
天末でまあるくなって充血すると それは恐ろしい眼だ
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強い風は くもをつぎつぎに飛ばしてゆくけれど
そのうすい切れはしだけが飛ばされない
ただよっているのに飛ばされない
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はじっこをちょっとかくして恥ずかしそうにうかんでいる
きみが夜空を照らしているなんて誰も信じないだろう
やはらかき銀のしとねに囲まれて
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自由詩 廿三夜 Copyright Giton 2014-09-21 11:57:30
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