太陽と背伸びする乙女
ヨルノテガム





 山脈や湖が私の臓器である
 海流や雲海が指先から皮フに走り寄せる
 各地の毛細血管で猫が平和に
 寝ている欠伸している
 私は月の鏡を覗きこみ、睫毛にこんもり
 オーロラを載せてオシャレをきめる

 誰か
 星々と糸をつなぎからませ
 誰か
 空へ涙零し大気圏まで青く潤す
 私かしら
 地上の花畑をイヤリングに
 私かしら
 四季を奏でる風の便りをドライヤーで
 髪に撫でつけ記憶する
 あの太陽も見てるかしら
 私のこと

 時が来れば
 太陽は私を奪いにくる
 私は私から
 もう一つの
 地球を産み落とすよてい
 巨大な脚が生え
 巨大なマグマを吐き蓄え
 巨大な目をみひらいて
 笑ったり悲しんだりは
 もうしないのかもしれない








自由詩 太陽と背伸びする乙女 Copyright ヨルノテガム 2014-09-18 03:40:44
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