1982
吉岡ペペロ
1982年、1982メートルの山を登った
自由参加の学校行事だった
ひどく孤独を感じる行事だった
ともだちが参加するということで参加したのだが
まったくだれからも相手にされなかった
白い霧につつまれてその山を登った
途中おおきな小屋でお昼をとった
でかい畳の部屋はその三方から景色が見渡せた
乳白色の暗い緑の景色だった
部屋には明かりがついていなかった
同級生たちや先輩や後輩がみんな立ってうろうろしていた
孤独がばれないようにしばらくうろうろしてみたが
意味もないのでため息のようになって座っていた
ゴミ当番だったから下山するとき手に持ったビニール袋に
空き缶とか紙屑だとかをやたらめったらに入れていった
缶詰のふたで手の平を切った
血が出てしばらくして赤黒くかたまった
ひどく孤独だった
胸がさびしくて痛かった
みんなカミナリにでも撃たれて死んだらいいのに
とは思わなかった
それよりもカミナリにでも撃たれて死んでしまいたかった