カトピー
nemaru

昼休み
ブランコから飛んだ
カトピー
の足は
着地して
折れた
カトピーの足の骨は
インパクトの瞬間
限界を超えた
おかあさーん!
カトピーが
学校にいない
お母さんを呼んだことで
僕らはただごとではない気配を感じ
走りだし
それぞれのお母さんを連れて戻ってきたが
カトピーのお母さんはいなかった
お母さんらは
どうしましょうと相談をして
カトピーを焼却炉のほうに運んで
まだ生きとるじゃないかと
用務員のおじさんにゲンコツをくらった
おかあさーん!
お母さんが
学校にいない
お母さんを呼んだことで
僕らはただごとではない気配を感じ
自動車や新幹線に乗り込み
それぞれの母方の祖母を連れて戻ってきたが
カトピーの母方の祖母はいなかった
母方の祖母らは
娘らをその場に寝かしつけ
花壇で土いじりを始めた
僕らは
カトピーの周りで厳粛な踊りをした
カトピーの頭のてっぺんから蛍のようなものが飛んでいき
カトピーは
死んだ
僕らは
腑分けでもするように
カトピーの練り消しを分けあった


自由詩 カトピー Copyright nemaru 2014-09-17 14:55:01
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