美空
中村 くらげ
打ち上げ花火の残骸が今頃になって降ってきました
何光年も遠くの飴玉がキラキラ物語を演じています
ヘリウムガスでお腹を満たした風船がもうすぐ見えなくなりそうです
カラスの群れが赤く燃える山の向こうに帰って行きます
光っては鳴り、鳴っては光る雷雲が世界を支配しました
見上げると空はいつもそこにあるのでした
青い空はいつまでもあるのでしょうか
暗い夜はいつまでも来るのでしょうか
この星の物語はいつまで続くのでしょうか
そんなことを想う今日も見上げると
空は呼吸をしているのでした
自由詩
美空
Copyright
中村 くらげ
2014-09-11 22:27:24