月明かりの人
瑞海


今日は月で明るいから
すこし外をあなたと歩く

真っ暗だった足元は
いつの間にか明るくなって

手を引いているあなたは
少し寂しそうな顔するんだね

君が地上へ降り立った日
天使かと思ったけれど
君は全否定したよね

羽なんてたいそうなものはついていないし
天使だなんておこがましいです
ここに降り立ったのもなにかの縁かと思います
どうぞよろしくお願いいたします

あの時の透き通る青い眼が
今は霞んでしまったから

月が綺麗だねって言ってみると
そうかなぁと気づいていないように
返事をしていたのに

もう君は
君は


白い衣の端切れを
水に溶かして海に流すと
道が出来て
それが空に映るから
きっと会えると信じて

泣いています




自由詩 月明かりの人 Copyright 瑞海 2014-09-08 22:35:31
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