体温
弓夜

君の体温はあたたかすぎて離れられなくさせる
けれどいつも二人でくるまっていられるわけないから
離れている時がむしろ当たり前で
心がつながっているということを信じている君は
私が居なくても離れていてもひとりでいても
きっといつも十分な体温を保ち続けて
周りの人にもそのぬくもりをわけているんだろう

寒がりな私は君からもらった体温じゃ
満足できずに かと言って 君以外に包まれることなど
求めるはずもなくて
君の太陽にも勝る光を思い浮かべながら
今にも転びそうな道を
手足を冷やしながら歩いているんだ

帰っても君が居なくて かすかな雑音を聴くと
余計に寒さが身に沁みて だから君のことを
思い出さないように 私はわざとらしく
カーテンを閉めて明かりをつけたりするんだ

もういつまでも君のぬくもりをもらうわけにはいかないから
寒がりなんて言っていられないよね
これ以上 君の体温うばうわけにはいかないから
‘あたためてあげる‘という君の言葉も
たまに夢の中で聴かせてくれればそれでいいから


自由詩 体温 Copyright 弓夜 2014-09-07 10:25:43
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