体温
弓夜
君の体温はあたたかすぎて離れられなくさせる
けれどいつも二人でくるまっていられるわけないから
離れている時がむしろ当たり前で
心がつながっているということを信じている君は
私が居なくても離れていてもひとりでいても
きっといつも十分な体温を保ち続けて
周りの人にもそのぬくもりをわけているんだろう
寒がりな私は君からもらった体温じゃ
満足できずに かと言って 君以外に包まれることなど
求めるはずもなくて
君の太陽にも勝る光を思い浮かべながら
今にも転びそうな道を
手足を冷やしながら歩いているんだ
帰っても君が居なくて かすかな雑音を聴くと
余計に寒さが身に沁みて だから君のことを
思い出さないように 私はわざとらしく
カーテンを閉めて明かりをつけたりするんだ
もういつまでも君のぬくもりをもらうわけにはいかないから
寒がりなんて言っていられないよね
これ以上 君の体温うばうわけにはいかないから
‘あたためてあげる‘という君の言葉も
たまに夢の中で聴かせてくれればそれでいいから