鬼魚の目覚め
衣 ミコ
夢の終わりに
尾ひれが跳ねて
視界の隅の
水面が揺れた
耳奥に流れる
遠い海からの便り
風が叩く戸口を
そっと開くと
千の夜を留めた星が
瞬き瞬き
手招きをしている
暗闇の中
進みながら戻る
系統樹の森へと
足を踏み入れて知る
水の星の浸透圧
目を閉じたままでも
みな
辿り着ける事を
自由詩
鬼魚の目覚め
Copyright
衣 ミコ
2014-09-06 21:34:47
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