電話ボックスから
凍月



どうしようもない気持ちだけを抱え
90円を握り締め
僕は今、電話ボックスに
電話をかけた事のある人なんて
僕にはいないけど
今時誰も使わない電話ボックス
重いドアを開け
暑苦しいけれど、ふっと息を吐いて
道往く人達を見渡すと
皆誰かと電話して
耳に機械を押し当ててる
ポケットに入る思いを伝えてる
僕の想いは
ポケットに入る程小さくないんだ
僕の想いは
タダじゃ伝えてられないから
直接言うのは怖いから
手紙だと考え過ぎるから
今まで電話なんてした事ないけど
チャンスは九回

君へ、想いを






自由詩 電話ボックスから Copyright 凍月 2014-09-03 22:36:17
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