躍動する跳躍
opus

青く澄み渡った空に
シャボン玉が飛び交う
光を反射し
キラキラ
キラキラ

白いキャミソールの似合う女の子が
そのシャボン玉を
高台から飛ばしていて
それを
子供たちが
捕まえている
(何て美しい光景だ)

ふと、
自分が惨めになる
私は47歳の独身で
足が臭い
趣味は
コカ・コーラの瓶の取集で
(1982年製造の物をお持ちの方がいらしたら、
是非譲って頂きたい)
頭頂部が少し薄い
(ハゲではない)
休日には
この自然公園の芝生の上、
ブルーシートを広げて
ヨガをするのが習慣なのだが
目の前の光景を前に
いたたまれなくなってきた

何故だ?
どうして、
こんな思いをしなくてはならない‼
いや、私は何年も前から
この習慣を続けてきた
私の方が先に始めていた‼
私は何も悪くない‼

そして、
らくだのポーズを再開した
私は最早、無敵だった

気付くと
周りには誰もいなかった
子供たちも
あの女の子も
自然と涙がこぼれてきた
悲しくなった

何故?
どうして?
悪いのはだれだ?

パチン

頬に何かが当たる
見上げると
無数のシャボン玉が
空を覆っていた

さっきよりも
もっと高い高台から
女の子と子供たちが
シャボン玉を飛ばしていた

私は立ち上がった
私はずっと前から気付いていた
私に足りないのは勇気

「ねえ」
「え?」
「僕も一緒に混ぜてくれないかな」

「消えろデブ」




(私はデブでは無い‼)

(ハゲでも無い‼)

end.


自由詩 躍動する跳躍 Copyright opus 2014-09-01 20:41:19
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