キリトル
瑞海

きりとる
春の桜の紅
夏の氷の青
秋の葉の黄
冬の山の白

きりとる
いつかの誰かが造った
黒い手のひらサイズの箱で
君の笑顔も
きりとる キリトル

きりとった残像
訴えるものが
あるのか ないのか
評価しても誰も
助けてくれないのか

僕はこの箱に
魂を売ったんだ
死ぬまで持ち続けるさ

破壊して死なない限り
探すまでやめないさ
本当の人を ものを
見つけ きりとるまで




自由詩 キリトル Copyright 瑞海 2014-09-01 18:54:04
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