憧れ / 私は途方にくれている
beebee







僕たちはいつも何かに憧れ
僕たちはいつも何かに付き従っていた
特別な何かは空虚な私を満たして
あたかも違う何者かであるように
僕たちを酔わせ忘我させ
信じ込ませた


僕たちは自由であり
僕たちは何者にも縛られず
焦燥し夢中で信じて来たことを信じた
僕たちは時代の子だ
繋がっているという無辜な真実は
僕たちを夢中にさせた


どれほどの時間が自分の力と無力を理解させるか
登り下りふり返り
自分はまだまだ山頂を望み
街道を行く迷い人であることを知る
すでに人生の大半の時間を使い切り
歯噛みして座り込む
でも顔をあげれば見えているものはある
信じているのだ


もう一度子供に戻ればいい
もう一度精神を震わせ
自分の望みを知る時間を
瞬間を楽しめればいい
もう自分の弱さに嘆く若さではない
自分の本能に瞬発する無頓着さを取り戻そう
生きるという本能の喜びを取り戻そう
信じているのだ
憧れるという力を


私は途方にくれている
私は憧れている


 


自由詩 憧れ / 私は途方にくれている Copyright beebee 2014-08-31 23:20:43
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