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田園

便りにて
風が冷たくなりました
彼の人思う
夕暮れの日々


瞬くは
空一杯の一瞬と
よだかも光る
永久なる棺


良い人は
嘘をつかない母親の
声は遠くに
詩集を閉じる


嘘つきね
罪な男と心中を
昔話と
秋空の下


色恋に
疎い私は性欲を
隠し彼の人
怯えては見る


嘘つかぬ
野球少年
真っ直ぐに
眩し怨めし
年老いた我


鈍色の
空を見上げて我思う
もう泣けるほど
強くはないのと

一筋の
偽善と人は言うけれど
構わないさと
彼の人想う


暖房が
温かいとて
ジョバンニは
文明の利器
カムパネルラへ

別れても
背中の傷は癒されず
彼女の残り香
我一人夜


怖いわよ
今のあんたの
面構え
真一文字に
一途な馬鹿ね


短歌 ランダム Copyright 田園 2014-08-31 11:37:48
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