ある冬の空
吉岡ペペロ

十代のころある冬の空

ぼくはそれを観にそこに行った

前日はひとり旅館に泊まった

テレビでは夜のヒットスタジオ

売れはじめたTMネットワークが出ていた

畳に敷かれた布団に寝転んで

ぼくはそれを自由な気持ちで眺めていた

翌朝はそれを観にそこに行った

埃くさい湿りに春などを感じながら

そこで2時間ばかりそれを観ていた

そこでなにを探していたのだろう

なにか見つけたのだろうか


それはそこで、

その最先端で合掌していた。


その最先端のそばにぼくは2時間いた

ぼくはその日卒業式ではなく

それを観にそこに行った







自由詩 ある冬の空 Copyright 吉岡ペペロ 2014-08-30 18:54:41
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