待ちぼうけの国
カマキリ

日の入りの国は夜露でカビてる
今日の出来事は窓から見えていた
話すこともなく電源を切って
駆け引きとかいうただの目配せで
長い間、舌を乾かしていた

最初はいつも直球それからカーブで
見てごらん、あの子それを見事に振りぬいた
かすりもしない半回転のまぬけなフォームは
僕のいた観客席から、虹と重なっていた

窓になんでも張るがいいさ
覗き込んだ季節が少しくらいズレていたって
まだここには誰も来ない
咳き込んだって誰もいない


自由詩 待ちぼうけの国 Copyright カマキリ 2014-08-30 18:03:46
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