ぐねった 夏 
唐草フウ


ああ
今年の夏もなーんにもしなかったな
毎年それいってる
花火は欠けらだけを見たけど
ちゃんとした円ではなかった

夏らしいこともなくただ、よく降る雨で

ぐにゃりとした時計だらけののプールだけに、流されている

人のあらばかりを穴が開くほどみつめて
何にもならないことだとわかっているのに
体操ずわりでビームを送る、そして目はつかれる

一方で罵倒したり愚痴ったりぼやいている裏で
綺麗着飾っては「見て」と言わんばかりの女
どちらも本当だ
だけどどこか滑稽と思うホンネ


こんなことだらけの夏、よく降る雨で

くらげのような時間の泳ぐ海から、早く干上がってしまいたい












自由詩 ぐねった 夏  Copyright 唐草フウ 2014-08-30 06:09:16
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